プロジェクト概要
関西圏のクリニック(診療科:内科・外科・小児科)のお客様。5年前にシステム会社の提案でAWS上に電子カルテシステムを構築していました。しかし、①月額クラウド費用が当初見積もりの2.5倍に膨らんでいた、②カルテ呼び出し時のレスポンスが遅く診察に影響が出ていた、③患者データをクラウドに置くことへのコンプライアンス上の懸念が院長から出た、という3つの課題が顕在化していました。
「クラウドをやめてサーバーを院内に置きたい」というご要望に対し、テクノスフィアではDR用にAWSを残したハイブリッド構成をご提案しました。
課題と解決アプローチ
⚠ CHALLENGE(課題)
- AWS費用が月額80万円超(当初予算の2.5倍)
- カルテ読み込みに3〜5秒かかり診察に支障
- 患者データをAWSに置くことへの法的懸念
- 担当SEが退職し、AWS構成を誰も理解していない
- 停止すると診察ができないため慎重に移行必要
→
✅ SOLUTION(解決策)
- 院内プライベートサーバーへメインDB移行
- AWSをDR(災害復旧)環境として維持
- 院内LAN完結でレスポンス劇的改善
- 個人情報保護法・医療情報安全管理指針への準拠
- 夜間・休日作業で診察への影響ゼロ
移行後のアーキテクチャ(ハイブリッド構成)
【移行後:ハイブリッド構成】
【院内プライベートサーバー(メイン)】
├── 電子カルテサーバー: Ubuntu 22.04 (16Core/64GB RAM)
│ └── 電子カルテアプリ(院内LAN完結・平均レスポンス0.3秒)
├── DBサーバー: PostgreSQL 15(患者データ)
├── ファイルサーバー: DICOM画像・検査結果(NAS 20TB)
└── セキュリティ: ファイアウォール・IDS/IPS・ログ監視
↕ VPN(暗号化通信)
【AWS(DR・バックアップ専用)】
└── RDS Snapshot(日次バックアップ・90日保持)
└── S3 Glacier(アーカイブ・DICOM長期保存)
└── 障害時はRoute53でAWS環境へ自動フェイルオーバー
移行結果・成果
55%月額費用削減
(80万→36万円/月)
(80万→36万円/月)
3倍レスポンス改善
(5秒→0.3秒)
(5秒→0.3秒)
100%法的コンプライアンス
対応完了
対応完了
99.9%可用性維持
(ハイブリッドDR)
(ハイブリッドDR)
移行タイムライン
Month 1
AWS構成調査・要件定義
既存AWS構成のリバースエンジニアリング(担当SE退職のため設計書なし)。院内サーバースペース・電源・ネットワーク確認。移行計画策定。
Month 2-3
院内サーバー設置・環境構築
物理サーバー選定・調達・設置。Ubuntu 22.04・PostgreSQL 15・電子カルテアプリ環境構築。セキュリティ設定(ファイアウォール・IDS・ログ監視)。
Month 4
データ移行・並行稼働テスト
患者データ(約200GB)の移行・整合性確認。院内端末での動作テスト。AWS→院内サーバーへの自動同期設定。医師・スタッフによる操作確認。
Month 5
本番切り替え・DR設定
日曜夜間に切り替え実施(停止時間:約1時間)。AWSをDR専用に縮小(費用を最小化)。VPN設定・DR手順書作成。運用引き継ぎ・スタッフ研修。
逆移行を検討される方へ
「クラウドに移行したが思ったよりコストがかかる」「クラウドをやめて自社サーバーに戻したい」という相談は年々増加しています。テクノスフィアでは、クラウドが本当に適しているかどうかを客観的に試算した上で、最適な構成をご提案します。「クラウドをやめる」という判断も、必要であれば積極的にお勧めしています。